社会的事業デザイン(social activity design)
Naturescape® eco design の social activity design は、企業・公的機関のCSR事業や環境事業等のソフトを対象に、自然環境・野生生物・生態系の保全・再生の実践的メニューをデザインするサービスで、CSR事業や環境事業等の成果を「自然再生」という目に見える形に可視化・具現化します。
また、社会貢献・環境貢献といった間接的位置付けのこれらの事業をCRM・CI・IR等の形で企業経営に直接コミットする経営戦略(バリューチェーン・ビジネスモデル)として構築します。

Naturescape® eco designで基軸としているのは“生息地保全”という考え方です。生息地保全とは、希少種等特定の生物のみを保護・増殖するのではなく、その環境に生息する多くの生物に共通の生息要件(環境要件)を充足することにより、個々の生物のみならず、それらにより形成される生態系(食物連鎖・物質収支・共生等の相関関係)を含めて保全や再生を図ろうとする考え方で、あのトキやコウノトリの野生復帰を根幹で支える方策でもあります。具体的な手法にはHEP *1やHSI *2 等が挙げられます。

social activity designでは、生息地再生(rehabitat)のための調査・研究・再生事業を、また、必要に応じて一時退避(evacuation)のための退避域整備・退避捕獲活動を環境貢献アクティビティとしてメニュー化します。対象は、身近な里地里山から、野生生物・森林植生・河川流域まで、広範に対応致します。
CSR事業や環境事業等にsocial activity designを取り入れることにより、事業内容はより科学的・より実践的なものとなり、その成果もまた自然再生という目に見える形となって現われます。

自然再生は、環境経済という視点から、地域再生につながる社会貢献メニューとすることも可能です。
生息地保全で用いる手法は、在来工法・在来農法と呼ばれる手法です。環境側面からは、いずれも、自然の資源や生物のはたらきを積極的に利用し、同時に、その持続的な利用のために、これらを維持する工夫(生物への生息環境の提供)のなされてきた共存共生型・循環型・持続可能型・低環境負荷メソッドといえるもので、結果的に生息地保全と同じ効果を有しています。社会側面からは、長きに渡る先人達の創意工夫と試行錯誤を経て蓄積された叡智であり、地域の風土に応じた手法であることから、地域で育まれた価値(=地域資産)と呼ぶことのできるものです。形として・手法として残るもののほか、先人・古老といった人材として、また、伝統や文化として受け継がれるものもあります。
生息地保全にこれら地域資産を投じることは、自然再生を通じて、地域資産の価値を再認識する・地域に対する誇りを醸成する契機となります。地域の風土に応じ地域で育まれたものが有益なものとして活用されることは、地域社会の独自性や主体性という地域再生に最も必要な要素を喚起することともなります。そして、再生された自然は、地域社会や生産物に「環境」や「共棲」といった新たな付加価値を付与し、地域経済を支える新たな主体となっていきます。このように、自然再生は地域再生につながる社会貢献でもあるのです。

これらの環境貢献・社会貢献メニューやそこに関与するリソース(主体・人材等)を用いることで、絆の強いバリューチェーンやビジネスモデルといった経営戦略を新たに多様に構築・展開することが可能です。それらは、具体的には、CRMやERP、或は、BPRにまで発展するポテンシャルを秘めています。自然保護を経済メカニズムの中に位置付ける─これを企業理念とするシンクタンク企業である弊社ではこうした経営戦略を構築するコンサルティングも行っています。

また、デザインした社会的事業の実施にあたっては、弊社グループである一般社団法人 自然再生と自然保護区のための基金*3との事業連携や業務委託といった事業推進手段も提供しています。
同基金では、CSR事業で生物多様性貢献を実現するためのアウトソーシングメニュー(CSRサポートプログラム)を提供しています。

*1: HEP:Habitat Evaluation Procedure・ハビタット評価手続き
*2: HSI:Habitat Suitability Index・ハビタット適性指数
*3: 一般社団法人 自然再生と自然保護区のための基金:弊社共同創立のグループ法人
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